剣道は古来より日本人が培った最古の武道として、また、精神文化としても幅広い階層に重用されてきた。
わが青森県も藩政期に於いては、津軽藩、八戸藩、盛岡藩、各支藩の藩主自らが「文武両道」を目指し、精神を主とした 武道の実践を積極的に取り入れた。元来刀剣で相手を倒し身を守る格闘競技であった剣道が、各藩校に於いて 人間形成の道を求める文武教育としての剣道が確立された。
太平洋戦争終結後米軍施政のもとで禁止された剣道を蘇らせるべく強い信念を持つ同志達により、昭和26年締結の
「サンフランシスコ講和条約」を契機に、昭和27年4月1日に青森市に於いて「青森県剣道協会」が設立された。
故三上 勇三氏が初代会長を勤め、昭和23年に自費を投じて建てられた「尚道館」を本部道場とした。
昭和27年10月に再建された「全日本剣道連盟」が推し進めた称号統一により、翌昭和28年に青森県剣道協会も称号変更し、青森県剣道連盟が誕生した。
剣道界にとっては明治維新時の廃刀令と並ぶ最大の危機であったが、剣道愛好家達の信念と情熱により乗り越え
青森県剣道連盟は誕生し、現在も時代の変遷に寄り添いながらも独立自尊の精神を忘れずに進化し続けている。
青森県剣道連盟はこのような歴史背景を持つ、有形無形の尊い文化遺産を受け継いでいる。